ケース26/ちゃーこちゃん

 

ちゃーこちゃん/19歳

薬剤名

不明 


投与時の体重と投与量

2.35kg、投与量不明

 


投与回数と数値の変動


3日に1回

2010.2.22~2010.3.1 12.0%→14.0%

※投与開始時のBUN/Creは34/1.7

 

2010.3.1~2010.3.11 14.0%→20.0%


他の貧血対策


鉄分を食事に混ぜて


皮下輸液もしくは静脈点滴(貧血とわかって量の変更はあったか)


昨年の7月から毎日125ml皮下輸液してました。量は一切変更してません。

 

抗体について


わかりません。


飼い主の感想

2/22から亡くなる3/19までの約1ヶ月間、3日に1回の割合で造血剤を注射しました。

 

ちゃーこが2~3日食事を摂らず、元気がなかったため病院に連れて行ったところ、2008年10月に腎不全と診断されました(BUN163、Cre7.3)。先生から末期という言葉は聞いてませんが、いつどうなっても、とは言われました。しかし、その時は静脈点滴でとりあえず復活しました。

 

それから週に3~4回の皮下輸液を続け、2009年の7月にまたダウン。その時も静脈点滴で復活し、それからは毎日の輸液が始まりました。

薬名は忘れましたが、血管を拡げ、血液が流れやすくする錠剤もその時から、毎日飲み始めました。

 

昨年までは30%台だったPCVが今年の1月に20%台になり、2月16日にジャスト20%。

ただ、その時はまだ貧血の症状も出てなかったので造血剤の投与はもう少し様子を見ましょうとなりました。

 

しかし、2月22日、前日から食欲もなくなったので病院へ。血液検査でPCVが12%だったため、造血剤の投与が始まりました。抗体が出来るかもうんぬんの話は先生からは聞いてません。それから3日に1回に投与を続けました。

 

食欲は復活しなかったので、この日から亡くなるまでの1ヶ月間、強制給餌を続けました。水もほとんど飲まなくなったので、毎日の輸液が頼りでした。PCVは、3月11日には20%まで回復しましたが、3月18日体調が急に悪くなり、次の日旅立っていきました。

 

結局11日の血液検査が最後だったのですが、亡くなった時は歯茎も肉球も白かったので、貧血は随分進んでたのではないかと思います。ちなみにBUNとCreは、昨年7月にグンと上がったのを、点滴で抑えてからは、ずっとまぁまぁの数値を維持してきました。

 

もう少し早く造血剤を投与してればと思わなくもないですが、最後の体調の急変は抗体のせいかもしれないし、違うかもしれませんがという事で、何ともいえないですね。年齢的な事もありますし。

 

私たち家族は出来ることは全部してあげたつもりですので、小さな後悔はあっても大きい意味での後悔はないです。私たちも看病は大変でしたが、ちゃーこも最期まで頑張ってくれました。2度の大復活を遂げ、最期まで病気と闘ってくれました。本当にちゃーこの事を誇りに思っています。

 


管理人補足

2008年10月の「BUN163、Cre7.3」という数値は、とてつもないものだったと思います。<飼い主の感想>でその後の経過を拝見させていただきますと、急性腎不全ではなく慢性腎不全だったと思えますが、いったんこういう状態になっても、ましてや高齢であっても、何年にもわたって維持ができることもある、ということを示してくれていると思います。

 

EPOを投与しだした食欲がなかった時期、サポートごはんと輸液、鉄分の投与というケアを続ける中で、ちゃーこちゃんのPCVはちゃんと上昇しています。ご家族のサポートも大きかったと感じます。


そして、飼い主さんは結論づけていませんが、「旅立ったときに歯茎も肉球も白かった」ということ、「体調の急変が抗体形成のせいかもしれないし、違うかもしれない」ということを感想として寄せてくださっています。


抗体の形成については、獣医学の分野ではまだまだ追究されていないと思いますし、ちゃーこちゃんのような症状が抗体形成以外でも起こるのか、はたまた抗体形成の可能性が大きかったのか、これは現段階ではわかりませんが、EPOには抗体形成の副作用がある、ということを改めて頭に入れておかなければならないとも感じました。

 

抗体についてはわかりませんが、管理人にハッキリとわかるのは、ちゃーこちゃんが本当に大切にされたネコちゃんだったということです。「出来ることは全部してあげた」という飼い主さんの言葉からからもそれがよく伝わります。19歳という猫生を謳歌したちゃーこちゃんの記録は、腎不全ネコと飼い主に希望を与えてくれるものだと思います。