ケース17/ダルちゃん

 

ダルちゃん/13歳

薬剤名

エスポー 


投与時の体重と投与量

3.44kg、0.5ml

 


投与回数と数値の変動

週3回

2007.2.28〜2007.3.19 19%→34% 

※BUN/Creは、56/3.9

自宅で飼い主が皮下輸液の混入して注射 

 

 

他の貧血対策

毎日鉄剤を経口投与 

 

 

皮下輸液もしくは静脈点滴

 

 

抗体について

抗体が出来なかった 

(まだ使い始めたばかりなのでわからない) 

 

飼い主の感想

腎不全と診断されてから鉄剤をずっと投与していましたが、ついに貧血に陥りました。3本打った1週間後にはドンと数値は上がっていましたが目標値30%に届いてなかったため2週間引き続き注射をしました。思った通りの結果に満足しています。 

抗体のことを担当医に尋ねたら、その病院では抗体の出来た例は無いとのことで少し安心しました。貧血対策で他に変わる治療法が無く、こんなに効果があるなら抗体を恐れずに使ってみるべきだと思っています。 

高値ですがHCT30%をキープ出来るように続けていくつもりです。 


 

管理人補足

BUNとCreの変化についても教えていただきました。 

エポを初めて注射した2007.2.28のBUN/Creが56/3.9。 

1週間後(2007.3.7)が49/3.8、3週間後(2007.3.21)が56/3.8だったということです。 

 

皮下輸液の際に、飼い主さんがエポをリンゲル液に混入して投与しているそうです。「最初に説明を受けたときは、輸液の途中でエポの注射器に付け変えてまた輸液ポンプに付け替えて…というような何ともややこしい指示でしたので、『うーん、難しいです』と主治医にいったら、『じゃあ、もう混ぜて打ってください』とのことでした」とのことです。 

 

管理人の主治医は輸液には混ぜないようにという指示でしたが、これは浸透圧の問題なのか、それとも確実に体に入れるためなのか、よくわかりません。

ダルちゃんの飼い主さんは自宅でダルちゃんに皮下輸液をしているので、針の扱いにも慣れています。だから獣医さんが自宅でのエポ注射を許可してくれたんだと思います。 

しかしエポは要冷蔵ですし、管理人の場合は感光にも注意するようにいわれていましたので、扱いには非常に気を使いました。高価なので失敗は許されないという緊張感もありましたが、ダルちゃんの飼い主さんにも同じような緊張感があるそうです。 

しかし、もし飼い主さんが家で注射できれば、ネコの通院のストレスも減ると思いますし、ひょっとしたら経済的にも楽になるかもしれません。 

ただし、決められた適応量を決められた日に、確実に体に入れることが大切ですので、暴れん坊なネコちゃんの場合は、病院で確実に注射してもらったほうがいいのかもしれません(もちろん、ヘマトクリットのモニタリングも大切です)。 

ネコさんの性格を考慮して個別に対応できれば理想的だと思います。