一生使い続けるもの?


 

◆EPOはいつまで使い続けるべきか?

 

EPOのガイドラインによると、EPOは1クール、2クールというふうに区切ることなく、「抗体ができるまで使い続けるもの」であるようです。

1クール目、2クール目という表現方法自体、日本独特のものであるともいわれているそうです。これは基本的には、間違った表現です。

海外のある獣医師のサイトのなかでは、EPOを止めるべき時として、
・抗体が出来たとき
・薬で治療できない高血圧症になったとき
・多血症を起こした場合
・局所的、あるいは全身的過敏症が疑われる場合

と記されています。

また九州のある獣医師によると「生涯に渡って使い続けるものである」ということです。
ヘマトクリットが30〜40%を達成したら止めるということではなく、以後、それをEPOによって維持していくというのが基本的な考え方だと思われます。

アンケートではケース10のガメちゃんとケース13の「★ギャオスより抜粋3」は、継続して使用しています。


また、EPOをすでに使ったことのあるケース3のまーちゃんが24%に下がっ たときにただちに対処していることを考えると、まーちゃんもガイドラインに近い使い方をしていると思います。

 

 

◆一度投与したら、生涯投与が必要になるの?

 

考えてみると、一度失われた腎臓の機能は回復しないはず(と言われています)。
であれば、「赤血球をどんどん作れ〜!」という指令の声(←これがエリスロポエチン)が弱くなってしまったのなら、もうずっと弱々しい声しか腎臓は出せないのでは?と思えます。

つまり1回腎性貧血になったなら、腎臓が回復しない臓器であるんだったら、永遠に貧血状態になるのでは?ということです。

 

ところが、そうともいえないようです。

なぜなら、腎不全には波があるからです。

 

一度失われた腎臓の機能は回復しないといわれつつも、悪い時期を乗り越えて安定期に入ったとき、貧血の状態が安定するケースもなくはありません。

とくに急性腎不全の場合は、慢性とは経過も異なりますから、当然貧血の経過も違うように思われます。

 

また、あくまで個人的な意見ですが、30〜40%に保つための投与量や期間の調整は、個々で異なってもいいのでは?と感じます。ガイドラインを基に変法が加わってもいいのではないかと。

飼い主さんのライフスタイルやいろいろな事情、ネコの性格などを考慮することは、どんな場合でもアリだと思います。

 

アンケート結果を見ると、ある程度の数値まで上昇したらEPOを休んだ場合もあるし、頻度や量を少なくして継続する場合もあるようです。抗体の生成を考慮して「ここぞ」というときまで使わない、という選択をする獣医さんもいます。

どれが正解、ということは結論づけられません。アンケート結果をよくよく、1件づつご覧いただいて、参考にしていただければと思います。