◆貧血を緩和すると、静脈点滴や皮下輸液ができる!
腎性貧血は、進んだ腎不全でなることが多いわけです。進行した腎不全というのは、一般論でいえば、BUNが高い腎不全です。
今日元気だと思ったら、翌日にはクッタリ。
先々週の結果ではBUNは下がったのに、療法食を食べていたのに、また上がってしまった!
こんなことの繰り返しで、飼い主は一喜一憂の毎日です。
で、BUNを下げるために、脱水を緩和するために、電解質を整えてあげるためにとられるのが「輸液療法」や静脈点滴です。
が、水分を体に入れれば血が薄まるので、一時的に貧血状態が加速されます。貧血を恐れるがあまり、思う存分水分を体内に送り込めない状況が生じてしまうこともママあるのです。
貧血を緩和しておくということは、「いつでも皮下輸液や静脈点滴ができる状態にしておく」ことでもあります。
◆輸血より安心?
獣医さんによって考え方はあると思いますが、即効性のある輸血よりも、まずはEPOを選択する獣医さんは多いように感じます。
初回の輸血は比較的安心、とも聞きますが、輸血に比べればEPOのほうが何倍も安全、と言い切る獣医さんもいます。逆に、EPOを使いたがらない獣医さんもいるようです。
◆腎臓の維持につながる?
腎性貧血を致命傷にしないこと、ネコを楽チンにしてあげることはもちろんですが、維持についても期待できる一面があります。血流を促すことが腎臓の保護にもつながるという考え方です。
人間向けのある腎不全関連のサイトには、
『エリスロポエチンの注射薬で体内のエリスロポエチンを補ってあげると、貧血が良くなると同時に腎臓の働きが低下しにくくなるということがわかってきた。貧血が良くなると、酸素を運ぶ力が強くなり、心臓に対する負担が軽くなる。これが腎臓に良い影響を与える可能性が考えられている』という記述もありました。
あくまで抗体形成を気にしなくていい、人間に関する記述です。抗体の恐怖さえなければなぁ〜とつくづく思います。